22'天皇賞・秋を振り返...否、パンサラッサを語ろう。
天皇賞・秋、当然みなさん見ましたよね?
なので結果云々はもういいです。
ワタシが前回の記事から結局買い目を絞ることが出来ず、シャフリヤールを軸にしたことで伝統芸能「軸外し」を発動させたこととか、あれだけ雄弁に語っていたパンサラッサを馬券に入れていなかったこととか、もう些細なことです。
ワタシは前回の記事で言いました。
パンサラッサが札幌記念のようなペースで走るのならば、馬券に入ることもあるかもしれない、と。
メンコを外すタイミングを変えることでスタートの足がつくのであれば、58~59秒の前半1000mのラップタイムになるだろう、とも言いました。
57.4
配信しながら競馬実況を関テレで見ていたのですが、1000m57.4秒と聞いた時
「いやスズカやん!」って思わず言いました。
タイムもそうですが、3コーナーを過ぎて見えている映像はまさしく24年前の1998年の天皇賞・秋がオーバーラップする映像。あの時と同じタイム。
しかし、スズカが回れなかった4コーナーをパンサラッサは回ってきた。
残り400m、残り200m...後方から追いかけてくるのは4頭、内からダノンベルーガ、ジャックドール、外にイクイノックス、その少し後方にシャフリヤール...
もうゴールが目の前に迫るその時、イクイノックスとダノンベルーガがパンサラッサに迫る…!
結果はイクイノックスが差し切り勝利。
内から迫ったダノンベルーガは3着。
パンサラッサは2着...
結果惜しくも敗れはしたがあんなとてつもないペースをたたき出したにもかかわらず、2着に残った…あれで残るなんて誰が予想できた?
展開、コース共に完璧な相性を示した一番人気のイクイノックスにこそ敗れはしたものの、2着はあまりに素晴らしい結果だと思います。
正直舐めてました。
イクイノックスは当然すごかったですが、パンサラッサも化け物じみてました。
これまでパンサラッサは飛ばしに飛ばして最後大失速をするのがお決まりで、ついたあだ名が「令和のツインターボ」でした。
しかしこの天皇賞で魅せたパンサラッサの走りは、ツインターボなんかではない。
そして同じ前半1000mのタイムを出しながらも4コーナーを曲がれなかったサイレンススズカでもない。
サイレンスズカの夢の続きにたどり着いた「パンサラッサ」になったのです。
我々は遂に、あのサイレンススズカの「その先の景色」を見ることが出来たのです。
過去を遡ってみればこの10年だけでも2003年のローエングリン、2011年のシルポートがいますが(しかもこの二頭は共に56秒台!)早いペースで大逃げを打ってこれだけ勝ちに近づいたのはパンサラッサがはじめてなんじゃないだろうかと思うし、それが今までで一番近かったであろうサイレンスズカとの比較だったのかと思います。
唯一欠けていたものは勝利でしたが、この距離なら戦えることがわかりました。
1800mが適距離だとはもう言いません。
その兆候は札幌記念からちゃんとあったんですね…
次は香港カップで三度ジャックドールと激突するそうです。
この先パンサラッサがどんな景色を見せてくれるか、楽しみですね。
願わくば、これからも素晴らしい大逃げでの勝利と、怪我無く競走馬生活を全うできることを願って。